企画展「骨」展

「骨」といえばホネホネロック。
そんな基本的な部分は押さえておいてほしかった。

山中俊治ディレクション「骨」展
5月29日―8月30日 六本木 東京ミッドタウン 21_21_DESUGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp


この展示の目的の一つは「再発見」にあると思うのです。
なので、既存の時計や、掃除機の分解パーツがあったり、飛行機やドライヤーのレントゲン写真があったり。
時計の分解パーツは、その細かさにあらためて「職人の魂」を感じたりします。

ダチョウの骨格



ダイソン掃除機のレントゲン写真


しかし、大きくスペースを取る、作品説明のためのブツが、おもしろいしかけなんだけど、やたらに置いてあって、そのため展示のネタの少なさが際だっていた。



ナビゲーションシステム(これが至るトコにあるし、スタッフから説明聞かないとわかんないから、多くの人は素通りしてしまっているという・・・)。おもしろいんだけどね。


会場内でときおり奇っ怪な声が聞こえてきます。その正体は・・・

明和電機「WAHHA GO GO」


顔(量産タイプのエヴァみたい)の下の円盤を回して「笑わす」ことができます。
ただそれだけなのに、何度もやりたくなります。



another shadow 緒方壽人 + 五十嵐健夫

こういうのも何度もやりたくなります。
楽しむコツは、手を大きく広げることです。


そうして、再発見されたホネホネたちが、字義通りに再構成されて、ピアノ的なものになり、現代のカラクリ人形になって立ち現れてるのね。



骨からくり『弓曵き小早舟』玉屋庄兵衛 + 山中俊治

からくり人形とかかなり好きなんだけども、残念ながら通常は「動かない」展示+ビデオでの説明なんよね。Phasmaもそうなんだけど、コンセプトも含めた「説明」ビデオは、それはそれであっていいけども、単純に「動いたらこう見える」というのをループで見せるモニタもあったらいいのにと思う。(からくりは毎土日曜に実演してるそう)


そして展示の最後にある

「失われた弦のパヴァーヌ」 参(日本/デザインプロジェクト)

ピアノが消失した未来の話。ピアノもパーツを発掘した博士が、古代人の楽器を想像して、パーツをくみ上げてつくった「楽器」ということで、ピアノに見えるけど、チョト違う感じなのです。


誰でも弾けるように設置されてんだけど、ピアノ弾けないボクが弾いてもおもしろくないというか、何がおもしろいのかわかんないの。。。

そんな寂しい思いを抱えながら館を後にしようとしたらば、きこえてくるのです。ピアノともオルガンとも違う、なんとも「不自由」な音が。
「ネコふんじゃった」だったんだけど、字義通り「再構成」された「ネコふんじゃった」は、境界があいまいな、ぼんやりした暖かさをもった音色でした。


平日に開館一番で、ほとんど貸し切り状態で観たから、満足度は高かったです。
小さな発見に満ちていました。


参考:
山中俊治の「デザインの骨格」
http://lleedd.com/blog/


■追記■

7月中旬から配布されている、しりあがり寿さんによるMAP