犬撮影のあつまり(勉強会)

DAVICS:2という映像系SNSがありまして、
http://sns.davics2.net/

そこで知り合った、新居さんの主催で犬撮影の集まりがあったので、行ってきました。(電車で2時間かけて)

新居さんというのは、DORGという会社で、「科学的な根拠に基づいて犬とのコミュニケーションを深化させていく」ことに日夜励んでいるという方で、平たく言えば、家庭での犬との関わり(しつけ)から、撮影のための犬への演技トレーニング、そして、犬のトレーニングを通しての人間の教育までを、最先端の科学的根拠に基づいて行っているのです。(うん、多分そういうことだと思う。詳しくは、DORGのHPを見てください。http://www.dorg.jp/


新居さんに特に興味を持ったのは、そのSNSのエントリーで、


「笑顔で近づけば犬は殺されると思う」というのがあったのです。

以下引用

(人が犬に友好的態度で近づこうとしてやってしまいがちなこと)

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人間的には最大限の友好的な態度ですが、動物にとっては、

1.満面の笑顔で  → 牙をむき出して
2.犬の眼を見つめ → 威嚇しながら
3.前かがみになり → 襲いかからんばかりに
4.両手を伸ばして → 捕獲する姿勢で
5.正面から     → 好戦的な態度で
6.撫でに(あるいは抱きしめに) → 捕まえに
来た。

ということになります。
人に慣れた犬たちはそれが人間という変な生き物の、独特な友好的姿勢と理解していますが、本当は怖くて仕方がないんです。
これが野生のオオカミなら、とっくに逃げているか、あるいは追い詰めれば人間が殺されているでしょう。


正しくはこうです。

1.満面の笑顔で  → 歯を見せずに
2.犬の眼を見つめ → 目と顔を少しそらしながら
3.前かがみになり → 前屈せずに腰を落として
4.両手を伸ばして → 手をだらりと下げた状態で
5.正面から     → 横向きに迂回しながら
6.撫でに(あるいは抱きしめに) → ある程度近づいて犬のほうから来るのを待つ

のが理想です。

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目からウロコがボタボタと落ちましたね。
単に、犬と接するだけでも、僕らは随分勘違いの中に生きてんだなって。


そして今回、特に新居さんは今、タレント犬たちのトレーニングを多く手がけてらっしゃるので、「犬の撮影」の世界をカメラマン、ディレクター連中で見させて頂いたのです。

まず出迎えてくれたのは白くてデカいルフト君。

サモエドという種類でシベリアの方の犬種らしいです。
ルフトはとっても人なつっこくて、お顔をベロンベロン舐めてくるのです。

ハナちゃん(コーギー)は、アジリティ(障害物競走)で、華麗なジャンプを披露。

トレイナーがすぐ側に居なくても、身体の動きで自分が行くべきコースを察知します。

エヂーは忍者犬です。


犬のおもちゃを取り合いっこで遊んだんですが、真剣に遊んでいると時々ガブリと噛まれます。全然痛くない(むしろ気持ちいい)んだけど、聞いたらば、人間の大腿部の骨を砕くほどの顎の力があるそうで、こういうのもキチンとしつけないといけないそうです。


アイドル エリちゃんとの撮影会。


犬の演技で一番要求されるのに、最も難しいことの一つが、「その場でじっとしてること」だそうです。撮影の現場で言えば、トレイナーが離れた場所に居て、指示を聞きその場にじっとさせられることが重要だそう。


目の前にエサを置かれても、知らんぷりな賢いモネちゃん(ラブラドール)。
「OK」の合図が出るまで、我カンせずなのです。


よく「トレーニングの場所ではじっとできるんだけど・・・(現場ではダメみたい)」ということがあるようなので、もし犬関係のオシゴトがきたら、

★その犬は撮影現場でじっとしておくことができますか?

と確認することにしよう。

あと、指示に従い「吠える」というのも、キチンとトレーニングを受けた犬でないと難しいそう。犬なんていつでも、どこでも吠えるもんだと思うと大間違い。

★その犬は指示に従い吠えることができますか?

と確認することにしよう。


「フリーダンス」という競技があって、犬とペアになってダンスをするのだそうです。
で、今回見せて頂いたのは(世界で唯一の)フラダンスのチーム。
リュー君(コーギー)は「今からフラやるひと〜」と言われると、手をあげます。

(世界初!フラダンスの犬と人間のペアをグライドカム撮影!)

フラの音楽に合わせて座りながら後ずさりしたり、床をゴロンと回転したり。
最後には観客にご挨拶します。

今回わかったのは、犬たちには案外「演技をつけることができる」ということ。
今までは「子役と同じで犬はどうにもならない」くらいに思ってたんですが、プロのオシゴト、手腕は凄いです。
「犬に演技を付ける」というのが、彼らの手にかかれば案外イロイロとできるのがわかってビックリしました。
犬のオシゴトが来たらば「現場で適当」なんて思わず、

★犬の演技を予めトレイナーと共に考えておく

ことにします。
事前にわかっていれば、ベンジーやラッシーやビンゴのようなコトもちゃーんと出来るワケです。


【番外】
で、新居さんは犬のことはもちろん凄かったんですが、何が凄いって自分で何でもいろいろ作ってしまう人で、撮影用の照明器具から、クレーン、DOFアダプタ、プロンプタ、果てはアナブース迄自作されてて、そのアナブースもちゃんと防音加工で、重い扉になっている本格的なもの。工作力というか、「なんでも自分で作っちゃろ!」「思いついたらなんでもやっちゃろ!」的なことが本当に凄くて、

[%7C]
で、出てきたのが、犬の抜け毛を集めて編んだセーター。

犬の毛。フワっフワっです。
羊みたいに刈るワケではなく、グルーミングで抜けた毛を1年くらい貯めておくとセーター1枚分になるそうです。


自分の飼ってる犬の毛でセーターつくるとか、単なる犬好きの妄想かと思ったら、本当につくってて、相当イってる方だと思いました(良い意味で!)。率直に。自分の衝動に素直な方だなと。


ホント素晴らしい人でした。
ありがとうございました。

ドーグ:http://www.dorg.jp/