「自由」についての覚え書き
♪いいかい坊主 教えてやろう 上目使いでクライドが言う♪ブタの自由に慣れてはいけない もっと人は自由なのだ
真島昌利「こんなもんじゃない」。
最近14歳のためのサブカル書籍、よみきりパンセが面白くて、というか、読みやすくて続けて読んでる。
先日読み終わったのは社会学者 宮台真司氏の「14歳のための社会学」。
果たして、社会学者が語る社会学なんで、当然俯瞰した解説書というよりは、宮台氏の主張を、子供向けに噛み砕いて書いている書なわけだ。
で、そこに「自由」についてのことが出てくる。
■「自由」であるには、「選択肢を知っていて、それを選べる」以外に「選ぶ能力」があることも重要だ
■カントによると、単に「制約がない状態」=「やりたい放題」は、欲望に支配された不自由の典型
■「スゴイ」人に近づこうと「意志」が決めるよりも先に、自動的にそちらに引っ張られるように動かされてしまう。そういう状態が、一番人が<自由>を感じている瞬間じゃないか。(感染動機)
■理解が浅いからこんがらがるんだ。徹底して考えれば、必ず勇気がわいてくる。
というような話を、宮代氏自身の経験や、フィールドワークを通して語っていく。
そういった前提の中で、社会に如何に関わって、社会をいかに良い方向にもっていくのかという話で、最後には行動としては具体的なんだけど、「スゴイ」とか「勇気」とか、非常に主観的な言葉に落とし込まれてケムに巻かれてしまう。
でもきっと、そういったことだからこそ、自分の血肉から立ち上って来ることのように感じる。「勇気がわいてくる」というのはつまり、「勇気」が必要なものとして取り上げられているということだ。「勇気」は人から貰えるものではないけれど、誰かに影響されて、意志よりも先に自分のハートに宿るものだと思うから。
真島昌利「こんなもんじゃない」
今夜ポニーとクライドが僕の部屋へやってくる
冷蔵庫にはビールもあるし安いチーズも少しはある
太陽の熱と光の余韻がずっと遠くへ去ったころ
裏返った夜が照れながらポツリポツリと話しだす
確かに本当に見えたものが一般論にすり替えられる
確かに輝いて見えたものがただのきれいごとにかわる
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
人は嘘をつく時には必ず真面目な顔をするの
そんな太宰治のようなことをポニーは真面目な顔で言う
いいかい坊主教えてやろう上目使いでクライドが言う
ブタの自由に慣れてはいけないもっと人は自由なのだ
百科事典を暗記してみても俺は何にも知っちゃいない
知ったかぶりでいい気になって心に風も吹きやしない
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
愛や幸せを君は偉そうに雄弁に語り続けるが
そんなことはもう遥か昔に散々親から聞かされた
目が眩むほど何かを信じる事は時に自由を脅かす
俺に説教垂れるその前に鏡覗いたらどうだい
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
今夜ポニーとクライドが僕の部屋へやってくる
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない
こんなもんじゃない