写真展「マイ・グランド・マザーズ」を観てきたよ。
東京都現代美術館でやってる、やなぎみわさんの個展「マイ・グランド・マザーズ」を観てきたよ。
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女性達に彼女達自身の半世紀後の姿をイメージしてもらい、それをビジュアル化するプロジェクトです。
モデルのアイディアを借りた私自身の架空の祖母の創作でもあり、理想の老女像の共同制作でもあります。
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やなぎみわ「My Grand Mothres」
http://www.yanagimiwa.net/grandmothers/index.html
より。
(このサイトから、ほとんどの作品を観ることができます)
ちょうど学芸員さんのガイドトークにはち合わせて、作品のバックグラウンドなんかを聞けてよかった。
あらためて、写真というのが瞬間の映像だと認識した。
マイ・グランド・マザーズは、モデルさんとの話し合いを積み重ねて、最終的な瞬間を決めているそうだ。決めるのは50年後に「おばあちゃん」になっている自分の、ある瞬間。
現在から、その瞬間に至るまでの人生、考え、社会状況、そういったものの全てから、その瞬間(写真)がつくられる。
ガイドトークの後に学芸員さんに「どうして、おばあちゃんなのか?」尋ねてみた。そこには、作家やなぎさん個人の幼少の頃の記憶と、自身が女性であるために同一視しやすいという、ごくごく普通な答えがあったのだが、
作業を進めるにあたって、モデルの人からヒヤリングするわけだけども、男性からの「50年後」の話はツマらないそうだ。つまり、創作意欲がわかないそうだ。女性は、最初は「50年後なんて死んでるよ」と言っていた女性でも、聞いていくと、ものすごく自由な世界に話が飛んでいくそうだ。そして、デティールについてのこだわりが、女性の方が断然強いそうだ。
いわゆる「女は家庭を守って、男は狩りに出かける」ような保守的な考えもあるけれど、そんなのは嘘っぱちだと、実感として知っている。
歳を重ねた男性は家庭に入り、女性こそが外に出ているのではなかろうか。
だからこそ、つくりこまれた写真たちは、あからさまなフィクションでありながら、精神的なリアリティをもっているんじゃないだろうか。写真のなかの「おばあちゃん」が「おじいちゃん」では、残念ながら成立しない写真たちなのでは。
やなぎみわ
http://www.yanagimiwa.net
やなぎみわ|憧れのあの人は、どうやってあの仕事に就いたの ...
http://school.bijutsu.co.jp/artist/interview/07/20071130/
★賞金300万貰っても、借金返済ですぐになくなってしまう話とか、現代美術家の苦労話が泣けます