文化庁メディア芸術祭(12th)の歩き方

六本木は国立新美術館で開催中の第12回 文化庁メディア芸術祭に行ってきたのよ。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/winner.php

年に1回やってて、インタラクティブ物はいろいろ楽しめるし、見逃してたオモシロ映像が見られることも多くって、毎年かかさず行っております。
で、特にインタラクティブなアートって、見てるだけとか、通り過ぎても面白さは80%減です。なので・・・


文化庁メディア芸術祭(12th)の歩き方」


0)可能な限り、午前中に行きましょう
★美術館にはたいてい100円が返って来るタイプのロッカーがあります。荷物や上着はロッカーに預けて身軽になっておきましょう。
★ほとんどの場所が写真撮影OKです。空間がオモシロイので、何撮っても素敵フォトになるんで、カメラがあると吉です。

無料の展示会なんで、そんなガツガツした人少ないワケで、午前中といっても、10時開場なんで、ほんの少し早めに行くだけで、かなりガラガラです。開場と同時に入れれば、勝ったも同然です


1)1回の体験時間が長いものから攻めましょう
★会場パンフ類は貰わずに進みましょう。いろんなトコで邪魔になります。パンフ無くても全く無理なく回れます。


2)「見るだけ」の展示は後回しにして、1人づつの体験になる展示を先にやってしまいましょう



A)Touch the Invisibles
会場入ってすぐに目に入るので、すぐに混みます。人があまり並んでなければやってみましょう。
指の感触がオモシロイし、人によっては子どもの頃に蟻を意味なく潰してたような「危険な感覚」に落ちます。
ココには、制作したアーティストさんがたいてい居るので、「コレなーに?」と素直に聞いてみましょう。



B)Oups!
アート部門の大賞なので、記念にやっておきましょう。
とにかく左右に動きましょう。



C)level Head
実体のあるインターフェースによる、脱出ゲームで、クリアするのに、最低でも1人15分位はかかるんじゃないかしら。
並んでるのが2,3人なら、並んでやってみるのが吉


3)複数人でできるんで、比較的並ばずに済むモノを次にやってしまおう


A)STEREO SHADOW
青と赤の電球が照らす空間に、昔の子ども雑誌にあったような眼鏡を装着して、自分の影を見ます。
意外に人が並ぶんで、空いてたら、即入ってもよいかも




B)Touched Echo
橋の欄干にひじを付き、骨から伝わる音で、二次大戦当時の大空襲を体験するインスタレーション
映画でもよく題材になるドレスデンの大空襲で、これは上記のYouTubeにあるように、その「場」にあることと、それを体験する人たちを後ろから観ることが非常に重要で、凄くオススメ。



C)Gyorol
携帯電話を持ってれば、誰でも参加できるらしいけども、携帯電話によっては上手く機能しない魚釣りゲーム
PHSのボクはやってないんだけども、楽しいらしいよ)



D)Oasis II
会場入ってすぐなんで、なんとなくすぐに体験しちゃうかな。
砂をどけたり、埋めたり。なんか、本当にそれだけなんです・・・。



E )Shadow Awareness
コレ、正確にはメディア芸術祭の作品ではないんだけど、同じフロアでやってる「最先端ショーケース」って方のやつ。
自分の影がいろんなコトになっちゃってオモシロイよ。


4)そして、ゆっくりと、観たいモノを観ていこう


人それぞれ、Wii Fitやったり、TENORI-ONやったり、各所で上映されてるPVとか、映像とか、写真とか、WEBとか、あと、マンガも読み放題だし、興味の赴くままに。
で、ボクが特にオススメしたいのは、、


http://www.kimarobo-web.jp/
A)きまぐれロボット
辻川幸一郎監督/佐藤佐吉脚本/浅野忠信主演 の星新一原作ショートSFドラマの一挙上映。(約45分)
コレはホントびっくりした。コレDoCoMoのケータイコンテンツで、ネットにも全く出回ってなくって、ボクの中では幻ムービーだったんだけど、ココで観られるとは!
で、実際すごくいいです。ちゃんとドラマとして楽しめます。映像的にも流石です。


http://www.robot.co.jp/tsumiki/
B)つみきのいえ
画のタッチも、ストーリーも、しんみり滲みるアニメーション。
アカデミー賞にまでノミネートされてるんで、こういうのは「とりおさえ」(とりあえず押さえておきましょう)です。


http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/entertainment/001035/
C)キミの身体を変換してみよう展(のレポートビデオ)
コレ、去年の夏に初台ICCでやってた展示なんだけど、ホント面白かったんよ。なんとなく観てもらえると「なにやら、オモロイことしとったんやなー」と思えると思う



D)TOYOTA i-REAL イベント映像
あらま、2007のモーターショーで観た映像にこんなトコで逢えるとは!
ホント、好きです。これ。でも、単体で切り出して、こういうとこで上映すると、オチが非常に解りにくいよ。



E)Groovisions農林水産省のVP
うわー、グルビさんは、方法論使い回しでいろんなトコのオシゴトしてるんだなーっと。
で、コレのDVDがさりげなく出口に、他のチラシと一緒に置いてあるんですよ。誰でもタダでもっていけるんで、グルビ好きや、単なる映像好きはお土産にオススメよ。

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というワケで、出口にまで行ってしまったので、「歩き方」は以上です。
で、感想は・・・・、

毎年のように楽しめたんですが、、ダイナミックな作品に出逢えなかったのが残念。とっても残念。
とにかくデッカイとか、身体に装着してどうこうするとか、、PVもその他CMなんかの映像も「勢い」があっておくちポカンなモノが無かったんよね。
例えばアート部門大賞のOups!は、体験的にちっともインタラクティブな感触が無いから、10秒ですべてが理解されて、終わってしまうんです。「あ、こゆことなんね、以上!なんね」って。当然「また、やりたい!」なんてことは無いわけで。
唯一「Touched Echo」(端の欄干にヒジ付いて音聞くやつ)が、そのオモシロ行為だけに終始しておらず、ソレを体験する人たちも含めての風景を作品にしていて、ぐっときたんだな。

でも、ホント「きまぐれロボット」が観られたんで、すべてがOKなんよ。



■第12回 メディア芸術祭
2/4-2/15 10:00-18:00 国立新美術館/入場無料
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/