既得権益の誘惑から離れよう


ターンファームのメローハバネロ
http://ta-nm.jp/mellowhabanero.html

辛いの苦手なのに

タバスコって苦手なのよ。
そもそも、辛いのあんま得意でないの。だからカレーの好みもバーモントの甘口。

でも、この「メローハバネロ」は、かけちゃう。
パスタにも、カレーにもかけちゃう。
辛いんだけど、とっても口当たりが柔らかくってフルーティ。比べちゃうと、タバスコとか凄くガサツな感じ。

届いた箱には手描きで「ありがとう」「まだまだ作ります」の文字。

最近マスコミとかで取り上げられてて、しばらく品薄だったらしい。
畑の土作りからハバネロの栽培、収穫、加工、出荷、まで一貫して家族で手づくりしてるんで、(以前はラベルも自分で貼ってたそうだけど、今はどうかな)タイヘンらしいけど、それでも手描きで「ありがとう」とか、ちょっとジーンとしてしまう。

イイモノは人に教えよう

こういう少量生産モノとか、お店が狭くてなかなか入れる人数が少ないお店って、「知っちゃう人が増えると、自分が手に入れずらくなるから(自分が好きな時に入店できなくなるから)」とか、「人が増えると質が落ちるから」とかってので、人によっては自分だけの秘密にしちゃうけど、良い品、良いサービスを提供している人の所には、手に余る程のお客さんが集まることで、その品、サービスが、少しでも長く続いていって欲しいと思う。だって、自分一人がその品やサービスを支えることなんてできっこないんで。
(利用客の増加によってサービスや品質が変化するのを、いい方向にもっていくのは、違う能力や、努力が必要だから、簡単な話ではないんだけどもね)

既得権益で稼ぐよりも

ほんの5〜10年位前まで映像業界って(今よりもさらに)ブラックボックスな部分が多くて、ノウハウも、人材も、果てはウェブの使い方まで、「知っていること」を教えないことでお金を儲けようと考える人が多かった。また、逆に、それらを獲得するためには、それ相応の労力を費やしているワケで、そうそう易々と人には教えられない!という心理的な理由もあったことだろう。(これも、経済的な理由と言ってもいいけども)
押井守氏のアニメ映画「イノセンス」を評した町山智浩氏が、将来は誰もが常時サーバーに接続されてて、古いことも新しいことも、すべての情報は常に同じように、すべての人が利用できる状態になっているんで、「ものを知っている」こと(だけでは)価値がない状態になる。ってなことを言っていたが、映像業界でも。もうそれは始まっている。町山氏が言うのは、「ネットとかで拾える情報を寄せ集めただけの映画評論」は誰にでもできる時代にすでになっている、ということだった。

映像業界、いや、ビジネス全般も、また、「知っている」だけでは、稼ぐことはできない状態に確実に移行している。確かに、それでも「知っている」ことを自分だけのものにしておけば、ほんの数分は他者をリードするかもしれない。でも、そんな小銭にこだわるよりも、その「自分が気に入った」「知っていること」を、より多くの人が知るようになり、その製品をつくる人が、サービスを提供する人が、よりよい状態になって、さらによいものをボクらに提供することの方が、きっと世界は面白くなるよね。

※本当に人に教えちゃなんないコトも確かにあるけど、それはそんなに多くはないよね