企画展「影万華鏡の視覚」@森美術館
森美術館の企画展は「なんかオモシロげだな〜」ってなタイトルと、ポスターで、気になって気になって仕方がないのです。
あと、観光で来ている(互いにとって場違いチックな)オっちゃん&オバちゃんらの忌憚ない感想と、作品を通り過ぎる速度が(時に)好きなのです。
■万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより
4月4日〜7月5日 六本木 森美術館 一般 1200 円
http://www.mori.art.museum/contents/kaleidoscopic/top.html
うーん、綺麗なものが多かったんよ。
でもね、表現としては具体に見えて、言ってることは抽象っていうのが多くてね、いかにも「現代美術でござい」みたいなのばっかりで、注釈読んではじめて何言いたいかわかるようなのばっかでね。
けっこう残念でした。
例えば、カールステン・フラーによる”Y”(BLOGの最初の写真)は、ポスターのイメージに大きく使われてるくらいに、この展覧会を象徴する作品なんだけど。
作家本人が「現実混乱マシーン」と呼んでるくらいな、幻惑的な装置ということなんだけど、、実際装置に入ると「綺麗やね」とは思うけども、現実をかき回されるほどでは無かったんよね。
「このもの足り無さはなに・・・」(by 塊魂の王様)
あくまで、ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションからの展示なので、仕方がないが、「万華鏡の視覚」というタイトルならば、ぜひ展示の最後のスクリーンには、外国の禅問答のドキュメントではなく、タナカカツキ氏のALTVISIONの乱反射メガネ付き上映にして欲しかったな。あれこそ「万華鏡の視覚」なんだから。(森美術館のアートショップでは売られてたかんね)
それでもしかし、、
ロス・カルピンテロス「凍結した惨事の習作」(2005年)
イエッペ・ハイン「映す物体」(2006年)/ジム・ランビー「ゾボップ・ゴールド」(2000年)
とかは、楽しめました。
ロス・カルピンテロスはキューバ人の2人組で、ブロックをキューバから運搬したのかしら?と思って係員に尋ねたらば、この「凍結した惨事の習作」に関しては、展示する地域にある材料(ブロック)を、その地域の職人さんと作るようにしてるそうで。そう聞くと、この作品が持つ迫力にすごくしっくり来たのでした。
そんでもって、銀色の球体は呑気に転がっています。すごくのんきに。
一番笑えたのはコレ
「打ち負かされたうさぎちゃん」サラルーカス
【参考】
タナカカツキ「ALTOVISION](2008)
http://altovision.tv/
これのスクリーン上映+乱反射眼鏡鑑賞の時には、ホント「もってかれた」のです。