根本敬の映像夜間中学・識字学校篇(2009年4月)

学生の頃には雑誌「宝島」〜別冊宝島、「宝島30」と、サブカルにカブれてて、根本敬さんを経験して、しばらく経つんだけど、惜しくも2009年3月に終了したラジオ番組(聞いて他のはPodCastだけども)「ストリーム」内のサブカルな人たち(町山智浩氏/吉田豪氏/みうらじゅん氏等)が「心の師匠」として名を挙げてたのが、根本敬さんでした。特に吉田豪さんが、「根本敬さんと、みうらじゅんさんは、サブカルの裏と表」と評してたのが、非常にわかりやすい。

映画評論家の町山さんも時にBLOGなんかでも取り上げてます。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/searchdiary?word=%ba%ac%cb%dc%b7%c9



で、最近やたらと気になってた根本敬さんが渋谷UPLINKで毎月やってる

根本敬の映像夜間中学・識字学校篇(2009年4月)
4/24(金)19:30開場/開演20:00 渋谷UPLINK 
http://www.uplink.co.jp/factory/event.php


やっと行きました。

まるで、ともだちん家に行って、そいつが持ってる「たからもの」をゆるゆると「こーゆーのがあるんだよ」、「あと最近はこれなんか気になってるんだよ」と、なんのオチもなく見せて貰っているような。

もちろん根本敬さんが出してくるモノは、彼岸モノなわけで、かけるCDのトラック#1はナレーションとタイトルされていて「私は三浦和義が自殺することを予言していた。何故なら・・・」と延々オリジナルのバックトラックに乗せて喋ってて、トラック#2になると、やっぱりバックトラックに乗せて「三浦和義が殺人をしていることは間違いない、何故なら・・・」と延々喋ってて、、その場自体が彼岸空間と化していくのです。

根本敬さんの喋りはというと、マイクこそ使っているけれど、やはり友達に話しかけてるかのような、時々聞き取れない、前後の文脈がわからないような。
客席には30人ほどか、意外にも半数くらいが女性。その中でおもむろに流される根本敬作のAV「寒くないかい」ダイジェスト版。学生の頃、友だちがガロの通販で買ってたのが部屋に置いてあるのは見たけど、まさか中身を作った人の解説付きでみることとなるとは。

(そうか、だからタイトルは「夜間中学」なのか。)


そういうことも含めて、まったく役に立たない時間・空間を体験したのだった。そして、それこそが「サブカル」の神髄だと、あらためて思うのでした。

根本敬さんが、勝新から拾った金言「ゴミの中にこそ宝がある」(ちなみに、勝新が言ってたのは「無駄の中に宝がある」)の言葉通りに、サブカルとは、ゴミだらけなんだな。



そして、この機会に、この言葉をメモっておこう。


根本さんの著作「「因果鉄道の旅」より
千葉の片田舎で捨て犬 500頭をあつめて保護する「しおさいの里」。そこら中で犬たちは交尾し、衛生状態も最悪で、それでいて金銭状態もまったくよろしくない中、そこで働くおじさんは根本さんにこう言う。

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「いいか、俺はね毎日1日に2回エサをやるけど、エサが終わると全部いちいちこうやって洗ってるんだよ。
ピカピカに。でもわざわざこんなの洗剤使ってゴシゴシ擦る必要ないんだよ。水でちゃっちゃっとやりゃあ、
それでいいんだよ。な、こんな事無駄なことだと思うだろう?」

「え、いやまあ。」

「そうだよ、無駄なことなんだよ。」

で、次にドスの効いた大きな声で

「でも、やるんだよ!」

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世の中にある、金とか、時間とか、そういった価値観をすべて軽々と乗り越えてしまう言葉。