中島信也 特別講座@新丸ビル
第5回 デザイン特講PLUS@新丸ビル
テーマ:僕のCMディレクション
新丸ビルで開催されたDESIGNCHANNEL主催のデザイン特別講座に行ってきました。
http://www.design-channel.jp/
講師は中島信也さん。
http://www.musabi.ac.jp/d-info/y04/keieiron/6-1.html
【最近の代表作】
資生堂企業広告「あたらしい私になって」篇(2006:w/上田義彦)
矢沢永吉 ブルーレイCM「もったいない」(2008)
中島信也さんのお話を聞くのは何度目だろう。
信也さんは非常にトークがお上手で、しかも、こういう場は思いっきり「自分プレゼン」をするんです。
一番最初に見たときは、かなり驚きました。
自分のCM作品(25年の軌跡)をまとめた映像を流すときに、自分が作詞作曲ボーカルをしている「餃子の唄」をBGMに流すんですよ。毎回。
もちろん餃子と、作品集は何の関連性もないし、その唄が凄くいいかと問われれば、・・・・。な感じなんですが、今回ももちろん、「餃子の唄」をバックにCM作品流してました。
で、何故にそうなのか?というのにはちゃんと理由があって、「ビートルズになりたかったけど、果たせなかった」という信也さんがCMディレクターになるまでの生い立ちが話されてから、この「餃子の唄」に着地するんです。
これもう、ホント毎回なんですけど、やっぱり感心しちゃうんですよね。こういうカタチの「自分の出し方」に。
で、ムサビ(ジョン・レノンはArtSchoolを出てビートルズをつくったから)に行って、博報堂、電通を受けて、父親が博報堂勤務だったことで入らず、東北新社へ。
で、2年目から、企画・演出部に行き、今に至っているそうです。(現役のCMディレクターであり、東北新社取締役)
で、ディレクターになりたての頃に思ったのが、「ディレクター」=「お願い業」だな、、と。
その通りですね。
で、「ディレクターとはなんぞや」で出した信也さんの例がコレ
【ディレクターのおしごと】
エコガラス 成海璃子 だん、だん、だだん、だーん 冬編(2007:w/企画:本間絹子)
で、そのメイキング映像
CMの中のペンギンや、ダチョウを動かしてる(ぼうず頭の人)が、中島信也さんです。
僕が、信也さんに感心するのは、自分1人の力ではなく、人と組んでやる方法をどんどんと推し進めていったところです。
★特に2007年には「中島信也と29人のアートディレクター」という展覧会を開いている
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/exhibition/g256/index.html
たとえば、上記のエコガラスのCMは、電通のプランナー本間絹子さんが、企画し、唄をつくり、振り付けまでしてるそうです。(サントリーDAKARAも、本間さんの企画)
http://www.ecoglass.jp/ecoblog/2007/06/inside_story_of_cf_making_1.html
例えば、そういう中で「演出」に徹底的に集中していき、クリエイティブや、プランナーから受け取った「企画」を、その意図を膨らませて、強くメッセージが残るようにする。
信也さんがCMづくりで気を付けているのは、見る人に「何か一ついいこと」をプレゼントすることだそうです。
それは「びっくり」だったり「綺麗」だったり、「いい気分」「笑い」「感動」・・・。
それは、総称して「魅力」ということで、この「魅力」を付けるのは、企画ではなく、表現の仕事だろう、と。
そのためには、「表現をみがく」必要があるんだけど、それは、一つには「テクニックを磨くこと」、もう一つは「想像心を磨く」ことだと。
「想像力」ではなく「想像心」:みる人の気持ちになる。受け取る人の気持ちになる
=「思いやり」がないと、広告はできない(CMとは、見知らぬ人に、いきなり声をかけるようなものだから)
・・・・という風にやっていくのが「目標」だと話していました。
一線で活躍するCMディレクターでありながら、「つくっている広告が、本当に皆の役に立っているのか?」「誰かを傷つけてはいまいか?」「何が真実なのか?」「何が美なのか?」「何が幸せなのか?」・・・を、
日々、世界を見渡して「迷う」「悩む」「立ち止まる」を繰り返しているのだそうです。
ボクは映像のディレクターという名称では同じ領域に立っているようだけど、いろんな部分で全然信也さんの足元にも及びません。それでもしかし、自分の(仕事を含めた)「生き方」と、「世界」(の未来)っていうのは、僕の中の永遠のテーマだから、信也さんの言葉には、何か安心したような、、、
領域が同じというだけでおこがましいですが「大先輩」だなーと思うのでした。
【最近のおしごと】
UNIQLO ブラトップ (2008)
LOTTEガム SPLASH(矢嶋美容室)(2008)
UNIQLO ヒートテックインナー 雪の駅編 松田龍平(2008)
【超初期のおしごと】
日清カップヌードル Hungy? (1991:w/大貫卓也)
sony VOICE of CD(歌う少女)
【その他】
公共広告機構「人生を粉々にします」篇(1999)
公共広告機構「枯れる命」篇(2004)
Peace Hiroshima 腕時計篇(2006)
FUJI ZEROX 企業広告 ピアノ篇(2007)