佐藤可士和 特別講座@新丸ビル

第4回 デザイン特講PLUS@新丸ビル
テーマ:ビジネスとクリエイティブの新しい関係


新丸ビルで開催されたDESIGNCHANNEL主催のデザイン特別講座に行ってきました。
http://www.design-channel.jp/



講師は佐藤可士和さん。
http://kashiwasato.com/
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佐藤可士和さんのトークを聴くのは何度目かしら。


以前聞いた話で、可士和さんがお仕事を引き受ける条件の一つが「最終決定権のある人と直接話ができること」というのがあるそうだ。


今回のタイトルは「ビジネスとクリエイティブの新しい関係」なんだけど、可士和さんの最近のスタイルは、いわゆるデザイナーというフィールドよりも、ブランディング・ディレクター的なことが多いから、そのフィールドは自ずとビジネスの最前線。
柏さんの話を聞くと、とても自然にデザイナーの「仕事」を素直に突き詰めて行った結果そうなっていったことがわかる。


可士和さんのグラフィックのスタイルは、とても「素直」な印象を受ける。
例えば、最近の丸の内の「街をブランディングする」プロジェクトのグラフィック。
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丸の内のビジネス臭さを払拭するために、ド直球そのままに、「ART」inMARUNOUHI、夜の丸の内のイメージを付けるために丸の内「NIGHT」。



可士和さんは、クライアントへ提案するスタンスとして「ボクがやりたいことは何もありません。あなた(=クライアント)がしたいことはなんでしょう?」という気持ちだという。著書「超整理術」で書かれている、クライアントへの「問診」だ。


可士和さんのこういった所に、いわゆるアーティストと、デザイナーの気概の違いをはっきりと見て取れるし、だからこその可士和さんの強さだと思う。「アーティスト=主観芸術家」に対して「デザイナー=客観芸術家」だからだ。


そして、可士和さんは、クライアントと同じ価値観になれるまで、何度も何度も話をする(=問診する)そうである。
そうすれば、自ずと、自分が「コレだ!」と思うものは、クライアントも「
そうそう、コレ!」となるし、逆に自分が「イマイチ」と思ってれば、クライアントも「イマイチ」となるのは目に見えている、と。


確かユニクロの事例を聞くのは、もう4度目くらいだけど、それでもしかし、何度聴いてもスリリングだ。

そして、バカ売れしたHEATTECHのロゴもやっぱり可士和さんでしたのね。可士和さん曰く「日本発の素材ってことと、何か温かくなるってコトで黄色から赤のグラデーションで・・・」と、当然の帰結としてこのロゴに着地したように話をするが、その的確さには参ってしまいます。


この夜の話で、特にその「素直さ」にジーンと来たのは、ふじようちえんプロジェクトの話。
http://fujikids.jp/home/

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全体が遊び場になっているという園舎の屋根の柵を、子どもが座って足が外に出る幅に、センチ単位で調整したそうである。「こういうのって、それだけでなんか楽しいよね」という気持ちを素直にデザインに落とし込んでいるって、本当にスゴイと思うのです。


この講座は後日DESIGNCHANNELのサイトで公開されるそうなんで、気になる人はチェックしてみてね。
http://www.design-channel.jp/

あと、プロフェッショナル 仕事の流儀とかも出てて、TSUTAYAでレンタルもあったりするから、見てみるとオモシロイです。