『ヒューゴの不思議な発明』をみる前に

■予告篇は見ちゃダメー!
ヒューゴの不思議な発明』をみる前に、予告篇は見ちゃダメー!観ないほうがいいです。一番サプライズなシーンが使われてるんだもの。


■この100年前の短編映画は絶対観ておいて!
でね、予告篇は見ない方がいいけれど、この10分チョットの映画を観ておくと3割増で『ヒューゴの不思議な発明』を愉しむことができるよ。


ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」(1902)

一番有名な月の顔にロケットが突き刺さるシーンはきっとどこかで目にしたことがある人も多いだろうけれど、これを機に本編を是非みておいくといいと思うのです。すぐに皆でワチャワチャしたり月人が爆発したりで、100年以上前の映画だけど面白いよね。


■『ヒューゴの不思議な発明』は3Dで!
そして『ヒューゴの不思議な発明』は是非とも3D上映の劇場で観て欲しい。
何故なら「アバター」からはじまった3D映画の乱造は、まったくもって「アバター」を超える作品の出現に至っていなかったんだけれど(「タンタンの冒険」なんて酷いもんだった。3Dの使い方として)、『ヒューゴの不思議な発明』は、とっても「気持ちのいい3D映画」として成功しているから。
※残念ながらピラニア3Dは観ていないのです

そしてそれは、実のところ「タンタンの冒険」とは違って、ストーリーの語り口が3D映像に寄り添っているからだと思われるからなのです。

ヒューゴの不思議な発明』は世間の評判から「子どもがみても楽しめる」と言われているくらい、キャラクターの設定や、行動原理が単純明快で、小難しくアタマを使う必要がないのです。
しかし、それは決して映画の品位を下げることなく、深い感動を呼び起こすテーマをしっかりと浮き彫りにしているのです。

なにより気持ちいいのは、映画の初期衝動といえる「見世物」として3D映画として回帰しているのです。
奥行きを強調する画面デザイン、手前に動く歯車、冒頭から舞う雪や、部屋に舞うホコリ。
実在感云々ではなく「ね、3Dおもしろいでしょ!3Dだからやっぱりこうでしょ!」という画づくりを丁寧に積み重ねて、しかも「タンタン〜」のように目が回るような無茶は決してしないのです。


映画を愛する人のための云々という評判も聞きますが、じっさい、映像づくりや、モノづくりに、どこかの時点で取り憑かれて、今もそれらを愛してやまない人たちに観て欲しい映画です。


■映画をみた後で・・・。
映画を観た後でよいけれど、是非以下のサイトを覗いて欲しい

OCTOPUS氏の 第1章−映画の誕生(2)20世紀の魔術師
ジョルジュ・メリエスの魔法映画〜
http://www5f.biglobe.ne.jp/~st_octopus/MOVIE/BIRTHOFMOVIE/2MELIESS.htm


■オマケ!
あと、予告篇みるよりもあらためてチェックしておきたいのは・・・

映画「キック・アス」のヒット・ガール!

あの!ヒット・ガールの女の子(クロエ・モレッツ)の成長をみるのもまたヨシ。



それから題名の『ヒューゴの不思議な発明』っていっても、全然ヒューゴは発明しねーじゃん!って思ってたら、原作の原題が"The Invention of Hugo Cabret"だったよ。どゆこと?