文化庁メディア芸術祭(14th)の歩き方
六本木は国立新美術館で開催中の第14回 文化庁メディア芸術祭に行ってきたよ。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/information/
年に1回やってて、インタラクティブ物はいろいろ楽しめるし、見逃してたオモシロ映像が見られることも多くって、毎年かかさず行っております。
今年の裏テーマはズバリ「影」。
なんなんでしょうか、この「影」ものの多さはいったい・・・。
でも、そこんところにデジタルの「こなれてきた」現在が見えてきた感じもするのです。
「文化庁メディア芸術祭(14th)の歩き方」
国立美術館の開場は30分前の午前9時30分。(チョット早めに行って待ち構えます)。
スタートして最初の土曜日はたいてい客足が鈍く、余裕の入場です。
★美術館には100円が返って来るタイプのロッカーがあります。荷物や上着はロッカーに預けて身軽になっておきましょう。
こんなどうでもいい写真ばっかりなのは、昨年に引き続き今回も撮影禁止。
写真撮影禁止は、事業の告知宣伝において最悪な歯止めです。
Twitterでいくら「楽しかった」とあっても、特に今迄気にもしてなくった人たちには、何が何やらです。来年に期待。
土曜日ですが、開場15分前の9時45分くらいまでは誰も来ません。
10時の開場直前で30人くらいでしょうか。
さて、なんでアサイチ入場にこだわるかといいますと、
観に行くのではなく、遊びにいくつもりでいきましょう。なの。
そこには展示もたくさんありますが、体験型の作品 すなわち アトラクションも多数あります。
体験に1人5分かかるとすれば、10人並んでたら、50分待ちです。
心構えとしては、必死でディズニーや、USJに早朝に行くのと同じなのです。かならず三文以上得します。
★今回は、開場までの間に通りかかるスタッフたちに「特に混んだり、行列ができる展示はなんですか?」と尋ねてみました。
返ってきた答えは・・・eスポーツ、無限回廊、アイライター、立体視・・・あたりは平日でも行列ができているとのことでした。
1)1回の体験時間が長いものから攻めましょう
★会場パンフ類は貰わずに進みましょう。いろんなトコで邪魔になります。パンフ無くても全く無理なく回れます。
気になって来たらパンフ貰いましょう。
2)「見るだけ」の展示は後回しにして、1人づつの体験になる展示を先にやってしまいましょう
・・・でもね、今回も体験型それほど多くはないなあ。(ゲーム機は除く)
で、実際に1番ノリで遊んだのが・・・
■eスポーツ(作:犬飼 博士 )
自分の身体を動かして、玉を蹴ったり、ブロックくずししたり。
もう誰がどうやってもオモシロイわ。
■無限回廊 光と影の箱(作:鈴田 健/藤木 淳/ 鈴木 達也)
PlayStation3の市販ゲーム
家にゲームは置かないけれど、こういうゲームはホント「唸る」感じ。
コントローラーを素直に「懐中電灯」に見立てているのも素晴らしい。
■The EyeWriter(作:Zach LIEBERMAN / Evan ROTH /James POWDERLY / Theo WATSON /Chris SUGRUE / Tony TEMPT1(米国))
目の動きだけで絵が描ける装置(とそれを安価に提供するプロジェクト)
プロジェクトという感じのものだけれど、体験できたことはよかった。
実際に体が麻痺されてる方の眼球の動きは相当早いそうで、競争したいと思ったな。
そしてとにかく大好きな作品。
■10番目の感傷(点・線・面)/作:クワクボ リョウタ
小さな小さな電車が映しだす大きな大きな影絵の世界
影絵なんだけどね。なんでこんなに涙腺を刺激されるのだろう
この作品は新宿区初台にあるICCでも見られるので、芸術祭でみられなかった方は是非、ICCで観てほしい。
とってもよいレポートをヲノサトル氏が書いてます。
http://blog.goo.ne.jp/wonosatoru/e/1c51cd0157a6ef881ecce99ba98db555
見た方や、気になった方は読んでみてください。
3)わからないコトはスタッフや作者に素直に聞いてみましょう。特に多くの作家さんたちは、嬉々として作品の説明をしてくれます。
今回は併催されている「最先端ショーケース」が、ショーケースじゃなくなって、単なる感想データベースみたいになっちゃってて非常に残念。でも「学生CGコンテスト」の方にはおもしろいのありました。
■エスパードミノ(作:須木 じゃらし)
ぶつかってないのに倒れるドミノ
コレ見た目も不思議なんだけど、インターフェースも秀逸。
非常に洗練されてて、ついつい遊んじゃった。
■Shadow touch!!(作:坪倉 輝明)
影と遊べるよ。
影だらけ。
懐中電灯をインターフェースに使っているかと思いきやWiiで動いてるっていう。
ストーリ性が付けられたらもっと楽しいものになりそう
4)そして、ゆっくりと、観たいモノを観ていこう
人それぞれ、各所で上映されてるPVとか、映像とか、写真とか、WEBとか、あと、マンガも読み放題だし、興味の赴くままに。
で、ボクが特にオススメしたいのは、、(別にオススメしなくても目に入ってくるけれど)
■サカナクション Music Video(ディレクター:関 和亮)
企画書やアイディアメモが一緒に展示してあります。
初めから、ギミックにはCGを使わず、アナログな一発撮りにこだわったことがわかります。
撮影中ダッシュしているバンドメンバーを想像してしまいます。
■Tabio Slide Show(作者:児玉 裕一/田中 耕一郎/茂出木 龍太/左居 穰)
http://www.tabio.com/jp/event/slideshow/
くつした(タビ?)のプロモーション用映像
ただただ気持ちよい。おんなのこかわいい。
■iPad magic(作者:内田 伸哉)
手品による勝手iPadプロモーション
一緒に展示されている企画書や、アイディアノートにより、ラフにやっているように見えて準備に準備を重ねていたことがよくわかります。
実演は見逃してしまったけれど、1日に何度も実演しているようです。
■okeanos buoys『オケアノスのブイ』赤松 正行
インスタレーションのレポート展示
行きたかったなあ。
■The Wonder Hospital(作:Beomsik Shimbe SHIM 米国)
不気味でかわいいアニメーション
コマ撮りとかも使ってるっぽい。
■Cycloïd-E(作:Michel DÉCOSTERD /André DÉCOSTERD(Cod.Act)スイス)
どう動くかわからない でっかい インスタレーション 音も出る
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今年は、なんだか「整理されすぎてきた」という印象。
去年まで、わりと猥雑にソコココでMusicVideoや、何かの映像が流れてて、気になったらふと立ち止まって見続けたりね・・・。
・・・でもそれは、出店している作家さんたちからしたら、音が混ざっちゃってあんまし喜ばしい状況じゃないんですよね。
なので、整理されたことで、それはそれでいい評判をチラホラ聞くのだけれど、アート、ゲーム、マンガ、が同じ地平に存在するイベントなので、それはそれで寂しいなあという贅沢な気持ちも出てしまったのが正直なところ。
そんで影ばっかり!
■影の塔(作:土橋 修)
このゲームを初めとして「10番目の感傷」「eスポーツ」「無限回廊」「Shadow Touch」、大きく考えれば「アルクラウンド」もそんな感触がある。
つまり、「アナログ」な感触や、現実との接点を考えたり、いわゆる「カラクリ」的なことに「影」が持つ性質がとても丁度よいんだろうな。
そして、じっさい、それらの作品は気持ちいいのです。
影ばっかりウェルカム!!
というワケで、マンガ・アニメにはほとんど触れてないですが「歩き方」は以上です。
混んでない午前中に回り始めれば3時間ほどでだいたい見切れます。
でね、・・・・、
今年はなんといっても「歩かなくても」家で楽しめる!
なのです。
もちろん、実際に行かなきゃ見れない、触れない、体験できないものだらけなのですが、毎年「行きたいなー」と思っても毎日行くわけにはいかない
シンポジウムや、作者トークなんかのほとんどがUstream配信されています。
■メディア芸術祭Ustream
http://plaza.map-staff.jp/ust/index.html
しかも配信は学生たちが、ワークショップを兼ねてやっているという、素敵な取り組みです。
http://twitter.com/#search?q=%23jmaf_talk
例えばすでにアーカイブされているものには・・・
■ミュージックビデオ作家トーク「ミュージックビデオの可能性」
司会進行:寺井 弘典
http://www.ustream.tv/recorded/12475070
Twitter上の反応まとめ(Togetter)
http://togetter.com/li/97811
■受賞者シンポジウム「功労賞」栗原良幸氏+永井豪氏+かわぐちかいじ氏
http://www.ustream.tv/recorded/12495041
というなかなか聞けない貴重なお話満載です。
とにかく貴重なトークセッションが惜しげもなく公開されてるから、Ustreamの中継に注目!アーカイブもあるしね。
■第14回 メディア芸術祭
2月2日(水)〜2月13日(日) ※2月8日(火)は休館 六本木 国立新美術館
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/information/
★ちなみに昨年の記事はコレ
「文化庁メディア芸術祭(13th)の歩き方」
http://d.hatena.ne.jp/szkx/20100209